「コロイド電気泳動シミュレータKAPSELの紹介」
KAPSELとは(独)科学技術振興機構さきがけのもとに実施されたプロジェクトで開発された、コロイド分散系の電気泳動といった電気流体力学現象を第一原理(流体力学のNavier-Stokes方程式や静電力学のPoisson方程式)に基づいて極力近似を導入しないで計算するために開発されたシミュレータの名称である。本講演では、KAPSEL内部で考慮されている基本原理を概観し、KAPSELによるコロイドの電気泳動現象に関するいくつかの適用例を紹介する。
「ジブロック共重合体系における共連結ミクロ相分離構造」
ジブロック共重合体系では、極小曲面の1つとして知られるジャイロイド構造が熱平衡構造として存在することがよく知られている。我々はこれまで、このジャイロイド構造に着目し、モード展開法という方法を用いて、その転移ダイナミクス等について調べてきた。発表では、そのシミュレーション結果について報告する。
「Theoretical study on phase separation of electrolytes」
イオンを含んだ系における相挙動を主に二つの系に関して調べた。一つは2成分の混合系にイオンを溶かした系において、イオンと溶媒の相性を決定するパラメータと静電相互作用を考慮することで、特徴的なメソ構造が現れることを見いだした。もう一つは軸対称な荷電高分子系を対象とし、溶媒に少しだけ別の溶媒を混ぜることにより対イオンの凝縮の振る舞いが大きく異なることが判明した。以上について、理論と数値計算によってその振る舞いを解析する。