プロジェクト参加者

山本量一 (京都大学工学研究科化学工学専攻)

ソフトマター(相分離流体、高分子メルト、ガラス状物質、コロイド分散系など)に対して計算機シミュレーションを用いた研究を行っている。今回のプロジェクトでは「開発項目1:分子動力学シミュレーションとコロイドシミュレーションの接続」「開発項目3:コロイドシミュレーション・高分子シミュレーションと材料・プロセスシミュレーションの接続 」を主に担当する。プロジェクト代表者。

これまでの主な研究成果は以下のとおり。

  • 分子動力学(MD)法と連続体モデルを組み合わせたシミュレーション手法の開発、および液晶コロイド多粒子分散系への応用 [ Phys. Rev. Lett. 87, 075502 (2001) ]

詳細な業績などはHPをご覧ください。

泰岡顕治 (慶應義塾大学理工学部機械工学科)

10年以上にわたり分子動力学シミュレーションを行なってきた。泰岡が理化学研究所の戎崎博士のグループと協力して開発した分子動力学専用計算機(MDGRAPE-2)は、分子動力学シミュレーションで99.9%以上の時間を費やしている原子・分子間の力の計算を専用に行うチップと汎用の計算機のPCIバスに接続し専用のチップをコントロールする専用ボードからなっている。泰岡はこの専用計算機の開発において理化学研究所のハードウエアの開発チームの中で分子動力学シミュレーションを専門としている研究者の中心としてソフトウエアの開発に携わり、ハードウエアの能力を引き出すためのソフトウエアの開発を行ってきた。2000年には、汎用並列計算機と専用計算機を接続した大規模システムを構築し、ハイパフォーマンス・コンピューティング分野で最も権威あるGordon Bell賞を受賞した。本計算ボードを使用した計算結果をPhys. Rev. Lett. 93, 185701 (2004)、Phys. Rev. Lett., 94, 031101 (2005) を含む著名な国際誌に16編の論文として出版している。

本研究ではミクロ階層のシミュレータとしてMDGRAPE-2の後継機種であるMDGRAPE-3(約5TFlops)の使用を予定している。泰岡はメソ階層シミュレーションの1つである散逸粒子動力学法を用いた界面活性剤分子の自己組織化のシミュレーションにも携わっており、ランダムに配置した界面活性剤分子と水分子の系から球状ミセルが形成する過程を経由し、ひも状化する過程のシミュレーションに世界ではじめて成功した

増渕雄一 (東京農工大学共生科学技術研究院)

高分子のダイナミクスとレオロジーを,名古屋大学,山形大学,ナポリ大学,農工大学で研究.高分子の長時間ダイナミクスを計算できる理論モデルPrimitive Chain Networkモデルを提案し,独自のシミュレータNAPLESを開発した.増渕の高分子シミュレータは分岐,共重合等を含む様々な高分子がからみあう系の動力学を予測できる世界唯一のものである.その研究はNEDO産業研究助成事業「高分子からみあい系超高速シミュレータによる溶融構造制御」(代表者),JSTさきがけ研究「アナログ&デジタル融合高分子ナノシミュレーション」(代表者),科学研究費各種(代表者・分担者)などにより精力的に推進されている.

成果として多数の特許や論文が得られており,NAPLESは化学系を中心とした民間企業十数社で採用されている.H18年度からはNEDO材料ナノテクノロジープログラム精密高分子技術プロジェクト高強度繊維グループの再委託先になるなど,学術的にも工学的にも高い評価を得ている.

詳細な業績などはWebページもご覧ください.

谷口貴志 (山形大学工学部機能高分子工学科)

プロセス設計シミュレーションの基礎的な研究と工学的な応用研究を実施している。NEDO大学間連携プロジェクトによるOCTA開発プロジェクト(H10-13、総額1,600,000千円)では多相構造シミュレータMUFFIN開発をリーダーとして推進し、プラットフォーム開発でも中心的役割を果たした。その後、NEDO大学発事業創出実用化研究開発費助成(「新規高分子材料の成形加工性能を極小量で評価する装置の開発」 H17-18総額48,000千円、分担者)や各種民間企業からの受託研究により、複雑液体の流動や構造変化に関する計算手法の開発を精力的に推進している。