* 研究のねらい [#n2d2e21d]
 ソフトマター(柔らかく複雑な物質の総称)の中でも特に機能性材料として重要な高分子系とコロイド系を対象とし、ミクロ階層(原子・分子レベル)・メソ階層(濃度分布や界面など)・マクロ階層(材料の形や製造プロセスなど)が物理的に矛盾なく相互に影響し合う多階層/相互接続シミュレーション手法の確立と、それを用いた全く新しい包括的材料・プロセス設計ソフトウエアの開発を行う。5年間の研究目標は以下の通りである。
多階層/相互接続シミュレーション法の確立:計算科学の最先端では、各階層に適した手法を組み合わせたマルチスケールシミュレーションによるブレークスルーがいたる所で期待されているが、確立された手法がないのはもちろん、個々の事例に対する成功例すらほとんどないのが現状である。我々は、独自のアイディアに基づく多階層/相互接続シミュレーション法の開発によって、ソフトマター分野におけるマルチスケール問題の解決を目指す。ここでの成果はソフトマター分野にとどまらず、他の先端基礎科学・工学分野へも大きなインパクトを与えるものである。
包括的材料・プロセス設計ソフトウエアの開発:高分子、コロイド、及びその混在する系で、物質の化学的な1次構造を入力とした分子シミュレーション、メソスケールシミュレーションを介し、最終的にマクロな加工プロセスシミュレーションを実現するシステムを構築する。シミュレーションによる材料・プロセス設計への貢献という重要課題に取り組む。

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