MSSセミナー@京都 #13

日時

  • 2009年07月28日(火)15:30〜17:30

場所

講師: 古川 亮 氏 (東京大学 生産技術研究所)

題目: 過冷却液体の輸送異常:複雑液体(ソフトマター)の視点から

概要

ガラス転移点近傍における、粘性(緩和時間)の急峻な発散は、 過冷却液体、ガラス研究のハイライトに位置づけられる現象である。 この粘性発散の伝統的な理解は、「ケ−ジ(〜粒子サイズ)スケールで緩慢化した密度揺らぎの非線型相互作用が一義的に関与するミクロスケールの現象である」 というものである。 しかしながら、我々は、モデルガラス系(2成分ソフトコア系)を 用いた3次元MDシミュレーション研究を通じて、 粘性発散や、付随する粘弾性緩和などに現れる輸送異常は、 メソスコピックな時空スケールに複雑な階層性を有することを明らかにした。 我々の研究結果は、なんらかの動的なメソ構造が輸送(粘性)物性に 本質的な寄与をもたらすことを、示唆するものであり、 この点に関して、これまでの平均場描像の修正も視野に含む。